(1086)選ばない方の男と温め酒/牧野冴(1993年~)
ストーリーを想像させる句だ。こうした句についてくどくどと鑑賞するのは野暮(やぼ)の野暮天ではあるが、ええい、私はこの二人に幸あれとしみじみ思ってしまう。男と酒を酌み交わし、「選ばない方」と言っている…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。