(1087)絶壁へ冬の落日吹きよせられ/富澤赤黄男(1902~1962年)
絶壁は切り立つ崖のことです。垂直の岩肌は荒々しく、人によっては打ち付ける波を想像します。澄んだ空気により、かなたで沈む夕日は金色の光を届けます。その日輪が押しやられるように崖へと寄ってきました。実景…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。