(1117)生徒より下手な筆の字木の芽冷/益永孝元(1943~2017年)
作者は高校の先生であり、俳人でもあった。野球部の部長教員として甲子園に出場。色紙に自作の句を書く機会もあったろう。その筆の字が「生徒より下手」と自嘲気味に詠む。黒板では慣れた手であっても、筆を取ると…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。