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「ダーツ」国内王者は宮城・名取のプロプレーヤー 阿部悠太郎さん、武器は素早い投法

「今シーズンは仙台大会で初優勝したい」と話す阿部さん

 宮城県名取市のプロダーツプレーヤー阿部悠太郎さん(33)が、ソフトダーツの国内最大トーナメント「PERFECT TOUR(パーフェクトツアー)」で、2024年の年間王者に輝いた。プロ転向9年目で頂点に立ち、東北勢としても初制覇。15日開幕の今シーズンに向け「2連覇を果たす」と狙いを定める。(登米支局・山並太郎)

本場の欧州参戦を目指す

 先端部分がプラスチック製のソフトダーツで競うツアーは、プロ選手が所属する団体「PERFECT」(東京)の主催。07年に始まり、毎年2~12月に全国を転戦して総合得点を争う。「ソフトダーツプロフェッショナルツアージャパン」と並ぶ国内2大ツアーだ。

 24年シーズンは計18戦に過去最多の1347人が出場。阿部さんは年間4勝を挙げ、最終戦まで王者決定の行方が分からないスリリングな戦いを制した。

 素早い投法が武器だ。ダーツの基本は「構える」「腕を引く」「投げる」の3動作。一般的に一投4~5秒だが、阿部さんは構えから腕を引くまでを一つの動きにまとめ、2秒で投げ切る。相手の準備が整う前の「速攻」でペースをつかむ。「心理戦で優位に立てた」と勝因を分析する。

 宮城県登米市出身。ダーツとの出合いは市内のダーツバーでアルバイトをしていた22歳の時だった。常連客との対戦で負けてばかりで「罰ゲームもやらされて、遊びとはいえ悔しかった」。猛練習するうちに、のめり込んでいった。

 プロ資格は16年に取得した。17年から参戦するパーフェクトツアーでは身長182センチの高さと「速攻投法」を武器に成長。関西や九州に強豪が集まるツアーを制し「業界に風穴を開けた。『東北初』は永遠に残る称号」と誇る。

 普段はダーツマシンを扱う名取市の「フェニックスダーツジャパン東北営業所」に勤める。東北に支援者やファンが多いことから、今後も宮城を拠点にするという。

 今シーズンの目標はツアー2連覇と仙台大会の初制覇だ。本場の欧州参戦も目指し、「さらに技術とメンタルを鍛えて挑戦したい」と照準を合わせる。

ツアー2連覇を目指す阿部さん。練習拠点の一つ、仙台市内のダーツバーで練習を積む
練習拠点の一つ、仙台市のダーツバーで調整する阿部さん。マシンが2台以上並ぶバーは珍しいという

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