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コメ作況占う岩手・花巻のたろし滝 氷柱は今年も現れず 計測不能も豊作へ「知恵絞る」

計測不能となり、巻き尺で過去最高の太さ8メートルを再現する保存会メンバー

 沢水が凍りついてできる氷柱の太さでその年のコメ作況を占う「たろし滝測定会」が11日、岩手県花巻市石鳥谷町であった。例年に比べて気温が下がらなかったため、氷柱が形成せず、2年連続の計測不能となった。

 大瀬川たろし滝測定保存会が主催し、今年で51回目。保存会によると、寒波が襲来した9日には長さ約3メートルのつららに成長したが、寒さが緩んだ翌10日午後に崩落したとみられる。測定した11日午前の気温は3度。やせ細った数本のつららに雪解け水が滴っていた。

 恒例の川柳発表では、熊谷幸夫会長(74)が「雄姿なく高い米価に知恵しぼり」と披露。「米価高騰は農家にはチャンス。近年は計測不能でも良作の年が多く、知恵と経験で乗り越えたい」と呼びかけた。

 通常の氷柱は高さ13メートル。「たろし」はつららを意味する古語「垂氷(たるひ)」が語源とされる。1978年には過去最高の太さ8メートルを記録し、大豊作となった。

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