閉じる

全国の2500カ所に入浴 青森・板柳にUターンした温泉ソムリエ 沓掛麻里子さん<きらり 人・まち>

 全国の温泉約2500カ所に入浴したという温泉好きだ。「青森の湯っこ協会」代表で、温泉ソムリエの沓掛麻里子さん(42)。昨年3月、故郷の青森県板柳町にUターンし、青森の温泉文化の魅力を発信している。(青森総局・古関良行)

[くつかけ・まりこ]1982年生まれ、青森県板柳町出身。地元の高校を卒業後、ドラッグストアに勤務。旅行業の国家資格を取得し大手旅行会社へ。2024年4月から弘南観光(青森県弘前市)社員。

  -2月6日は語呂合わせで「風呂の日」。ここ喜龍温泉玉乃湯(青森県藤崎町)で、興味深いイベントをやっていますね。

 「ボンタン湯です。昨年まで住んでいた鹿児島県では風呂の日、特産の果物ボンタンを湯に入れて入浴する風習があるんです。これがボンタン。とても大きいかんきつ類です」

 「ボンタン農家たちが全国の銭湯と力を合わせてボンタン湯を広めています。青森県では今回、初めての開催となりました。ここ玉乃湯の泉質は、美人の湯として保証付きです」

 -かなりの温泉マニアですね。温泉に、はまったきっかけは。

 「元々は大手旅行会社の添乗員で、ツアー客らを月に20日間ほどは案内していました。宿泊先の大半は温泉旅館。温泉に漬かる生活が続いて、温泉の多様性に気付いたんです」

 「色や匂い、泉質、そして温度も実にさまざまです。2013年に温泉ソムリエの資格を取ったのを機にどんどんのめり込んでいきました」

 -古里にUターンしたのはどうしてですか。

 「コロナ禍のちょっと前のことですが、東京の生活に疲れてしまい、旅行会社を辞めました。青森の温泉の魅力を発信していこうって決めたんです。青森に戻る準備も始めました」

 「ところが、姉夫婦らが住む鹿児島県を1週間ほどの予定で訪れたら、コロナ禍で動けなくなってしまって…。ズルズルと4年も鹿児島で過ごし、姉の家族と一緒に昨年、古里の板柳町に戻りました」

 -地元の旅行会社で働きながら、青森の温泉を応援していますね。

 「Uターンする前、20年に『青森の湯っこ協会』をつくりました。と言っても会員は私1人。会員を募るのではなく、温泉好きな方々とコラボし、青森の温泉でさまざまなイベントを企画しています」

 「青森県が運営するSNS(交流サイト)の『青森びいき』で、温泉・サウナ部のナビゲーターにも任命されました。経験を生かし、地域に貢献していきたいですね」

関連リンク

ライブカメラ