ごみ袋が点字ブロックふさぐ 宮城・塩釜の集積所、繁華街近く不法投棄も
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「宮城県塩釜市尾島町付近のごみ集積所で、ごみが点字ブロックの上にはみ出していて危ない」との声が「読者とともに 特別報道室」に寄せられた。取材を進めると、ルールを守らない飲食業者の存在に加え、幹線道路沿いならではの事情も見えてきた。
障害者が転んで負傷
現場は国道45号沿いの歩道脇にあり、歩道の幅は約2・5メートルで中央に点字ブロックが設置されている。集積所に置かれたごみは歩道の半分ほどをふさぎ、避けるように通勤する市民らの姿が見られた。
目に障害がある同市の50代の自営業女性は、点字ブロック上にはみ出したごみを覆うネットに足を取られて転倒し、けがをしたことがあるという。「歩道も狭く、非常に危険だ。何とかしてほしい」と訴える。
地元住民によると、ごみ集積所の管理は長年にわたり悩みの種となっている。
周辺は飲食店が立ち並ぶ繁華街で、ごみの量が多い上、一部の業者がルールを守らずに業務用のごみを大量に置いていく。町内会に参加していない人が車でごみを持ち込むケースもあるという。
過去には、ごみがはみ出ないように市と町内会が鉄製の籠を設置したこともあった。だが、地震や津波の発生時に道路をふさいで通行の妨げになる可能性があるとして、国土交通省の指導が入り、間もなく撤去された。
地元住民らは点字ブロックにはみ出さないようごみを片付けたり、ごみネットを設置したりする対策を講じている。問題解決に向けた妙案はまだ見つかっていない。
尾島町第三町内会の今野清市会長(74)は「地元もできることはしているが、限界がある。ルールを守ってごみ捨てをしてほしい」と話した。(佐藤駿伍)
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