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<ふらり酔ってこ>串焼き楽しむ大人の空間 もつ焼 佐㐂乃(さきの)

もつ焼 佐㐂乃(仙台市青葉区中央)

店の中央に配置された大きなカウンター越しにスタッフの齋藤龍之介さん(中央)から、注文した日本酒「繁桝 特別純米 雄町 生々」(990円)を受け取る小早谷さん(右)。この日の料理やお酒、趣味の旅行の話で会話が弾む

 この店を知ったのは、情報誌に掲載されていた店の紹介記事だった。豚モツを使った料理は元々好きで、焼き肉や煮込みでは食べていたが、串焼きというのは経験がなく興味を持った。そこで2022年12月、1人で行ってみることに。 

 初めて訪れた日、師走の店内はすごいにぎわいだったが、首尾よくひと席だけ空きがあり、入店がかなった。 

写真手前から取材日のお薦め串(右からしろ、れば、はつ、てっぽう、はらみ)が並んだ「おまかせ串(5本)」(1130円)、「刺身全種盛(奥から時計回りにこぶくろ刺し、はつ刺し、がつ昆布〆、たん刺し)」(1500円)、「もつ煮飯」(440円)、「豚の塩辛」(550円)。コップは"謎のエキス〟が入った人気の「焼酎ハイボール」(500円)

 席に座り、メニューを見渡すと、想像していた以上にメニューが多いことに気付いた。串焼き以外にも、特殊な処理を施したモツの「刺身」や、季節によっても変わる一品料理の名前が並び、日本酒や焼酎も選ぶのに苦労するほどだった。1度訪れただけでは食べ尽くせないメニューの豊富さが、その後足しげく通う理由にもなった。

 毎回、最初に頼むのは、畜産業者から直接仕入れる岩手県産ブランド豚「佐助豚」のモツの串焼きを5本セットにした「おまかせ串(5本)」と焼酎ハイボール。串焼きは、最もおいしい状態と店側が判断したものを選んでくれるので、組み合わせは毎回異なる。1番のお気に入りは「レバー」。しっとりとした食感と心地よい苦みがたまらなくて、欠かせない1本となった。

「土佐備長炭」でじっくり火を通す串焼きは、焼き上がるとカウンター越しに1本ずつ提供される

 串焼き以外にも、じっくり煮込んだとろっとろっのモツがたっぷり入り柚子胡椒(ゆずこしょう)がアクセントの「もつ塩煮込み」(380円)や、栄養たっぷりのレバーのパテと、クリームチーズをバゲットに付けて食べる「レバーパテとバゲット」(660円)も絶品だ。料理と合わせる日本酒や焼酎は、メニューにないものが仕入れてあったりするので、毎回、スタッフに聞いて選んでいる。 

 うまい料理とスタッフとの会話で「大人の時間」が楽しめるこのお店。会社の同僚や友人、親戚を誘って行くこともあるが、誰もが「おいしい」と満足してくれていたのがうれしかった。初めて訪れてから2年以上がたつが、しばらくは通うことになりそうだ。 

日が落ちた仙台銀座に漏れ出す店の明かりとモツを焼く煙が仕事帰りの人々を引き寄せる

仙台市青葉区中央3-10-3 DS中央ビル1階
営/16:00~23:00(土曜、祝日は15:00から)
休/日曜(臨時休あり、Instagramで確認を)
TEL022-398-5818

【ふらり酔ってこ】
 今回の執筆は利府町の会社員・小早谷篤司さん。多い時は週に1度は利用していたこともある大の常連客です。お店の料理は基本的に全て食べたことがあると話すつわものでもあります。

写真/田附 絢也

(河北ウイークリーせんだい2025年2月20日号掲載)

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