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慶長遣欧使節を率いて活躍、支倉常長は「柔軟で機転利く明るい性格」

支倉常長や当時の時代背景を語る平川館長

宮城・石巻のミュージアム「サン・ファン館」の平川館長が大郷で講演

慶長遣欧使節を率いた支倉常長をしのぶ講演会が15日、晩年を過ごしたとされる大郷町にある町文化会館であった。功績を広めようと昨年12月に町民有志が結成した支倉常長大郷顕彰会と町まちおこし協議会が主催し、町民ら約150人が参加した。

羽織にブラウスの肖像画、和洋融合の服装に着目

 県慶長使節船ミュージアム「サン・ファン館」(石巻市)の平川新館長が「支倉常長の歴史的役割―慶長遣欧使節の世界史的前提―」と題して講話。「(仙台藩祖の)伊達政宗は国際貿易の出遅れを挽回しようと、領内でのキリスト教布教の容認を条件にメキシコとの貿易を求め、使節団をスペインなどに派遣した」と背景を説明した。

 スペインが「貿易がしたいなら国全体で布教を許可すべきだ」と主張したのに対し、江戸幕府は常長の帰国後、全国での禁教令を強化した。平川館長は使節団について「大名独自の最後の海外派遣船となった」と歴史的意義を強調した。

 常長の人物像に関しては、肖像画で羽織や足袋のほか、ブラウスや指輪を身に着けている点に着目。「和と西洋の文化を融合させている。柔軟で機転の利く明るい性格だったのではないか」と推測した。

 講演後、常長を供養する舞「郷さんさ」や、昭和初期に町内の学校に赴任した男性教師が作詞作曲した「支倉常長の歌」を地元住民らが披露した。

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