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色彩模様いしのまき・厳選集(2) 青、銀

 石巻地方の印象的な色に迫った写真企画「色彩(いろいろ)模様いしのまき」が52回の連載を終えた。担当した記者の撮影時の思い出とともに、厳選した写真を紹介する。

<青> 水面に濃淡、高い透明度 海(石巻市の網地島)

青のグラデーションが広がる網地白浜の海。透明度が高く、海底が透き通って見える

 本当の海の色を久しぶりに見た気がした。波打ち際から沖合に広がるグラデーションを前にして、撮影位置を決めたら、もう工夫の仕方を思いつかなかった。吹き抜ける風が暑さを和らげ、帰りの船までの時間、カメラを置いてただ海を眺めていた。(保)=2024年7月28日掲載
 

<青> 釉薬が紡ぐ古里の情景 三輪田窯の器(石巻市三輪田)

上品山の岩を使った釉薬とホタテの貝殻などを調合した釉薬で色付けられた器。料理が映え、飲食店から特注の皿を依頼されることもある

 色をテーマにした企画を始めることが決まった時、取材候補として真っ先に頭に浮かび、1回目の題材に選んだ。存在感のある器は、自然光が差し込む工房に並べただけで絵になった。この時購入したマグカップは軽くて手になじみ、容量も多いのでとても重宝している。(及)=2022年10月2日掲載
 

<銀> 寒風浴びて、うま味増す サンマ天日干し(女川町針浜)

陽光の下に干されたサンマ。従業員が魚体の間隔を丁寧に調整し、整然と並べた

 冬の風物詩として毎年紙面を飾る風景だけに、既視感のない写真にするのが難しかった。銀鱗(ぎんりん)が最も輝く構図を探し、下からのぞくやや逆光のアングルに。奥のすだれにつるされたサンマは、朝日を反射して鉄の塊のように見えた。(保)=2023年3月5日掲載

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