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学びやの思い出、ずっと 中津山一小、中津山二小で閉校式 新生「桃生小」へ

 4月に新生「桃生小」に統合されるため、3月で閉校する石巻市中津山一小(児童73人)と市中津山二小(同97人)の閉校式が22日、両校の体育館でそれぞれあった。ともに151年の歴史を誇る学びやに、全児童や保護者、地域住民らが別れを告げた。

中津山一小

感謝の会で、学校の思い出を込めたメッセージを発表する中津山一小の児童たち

 中津山一小の式典には、児童や教職員、保護者ら計約170人が出席した。黒川美和校長が市教委の宍戸健悦教育長に校旗を返納した。黒川校長は「我等(われら)は進む新しく」との校歌の一節を引用し、「子どもたちが誇りを胸に、新しい一歩を踏み出すことを信じている」と話した。

 児童を代表して6年の山内江太郎さん(12)があいさつを述べた。学校生活を振り返り「地域の皆さんに見守られ、帰り道などで優しくあいさつをしていただいたことは大切な思い出です。これからも自分からあいさつをして、地域の皆さんと一緒に生活していきたいです」と力を込めた。

 閉式後は児童による感謝の会を開催。保護者や地域住民の前で、全校児童が地域の伝統芸能「はねこ踊り」を舞った。授業や行事で指導してくれた住民ら6人に対し、代表児童が感謝状を手渡した。4年生は和太鼓、5年生はソーラン節もそれぞれ披露した。

 正門近くに設けた閉校記念碑の除幕式も実施。児童は校舎や校木のイメージ、校歌などが刻まれた碑の周りで記念撮影を楽しんだ。

 同校の歴史は1873年に創設された新田小から始まった。86年に新田尋常小となり、1947年に中津山一小に改称した。今春の卒業生を含め、新田小時代から計4887人を送り出した。

中津山二小

はねこ踊りで息の合った舞を見せた中津山二小の児童たち

 中津山二小の式典には、児童や教職員、保護者ら計約220人が出席。鈴木久美校長が宍戸健悦教育長に校旗を返納した。鈴木校長は「学校で過ごした日々は皆さんの人生における大切な宝物です。思い出を胸に、新しい環境でも力強く歩んでほしい」と児童にエールを送った。

 児童代表の6年高橋柚妃(ゆずき)さん(12)は「私たちは先輩方から、たくさんのバトンを受け継いできました。優しく、賢く、たくましくという目標の下、築き上げてきた歴史や良き伝統はいつまでも心の中にあり続けます」とあいさつした。

 感謝の会では、全校児童による「はねこ踊り」があった。地元の寺崎はねこ踊り保存会がおはやしを担当。児童たちは威勢のいい太鼓や笛の音に乗って息の合った舞を披露し、有終の美を飾った。学校の歴史を振り返る映像の上映もあり、明治時代の創設当初から現在までの行事や児童の様子を紹介した。

 正門付近に設置した閉校記念碑には、校歌や、はねこ踊りをイメージしたデザインなどを刻んだ。各学年の代表児童と鈴木校長らが除幕した。

 学校は1873年に創設された中津山小が前身。86年に中津山尋常小となり、1947年に中津山二小に改称した。今春の卒業生を含め、中津山小時代から計3435人を輩出した。

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