(1137)ここに来るまでの寒さを言い合える/宇多喜代子(1935年~)
具体的な物はありませんが、場面が見えてくる句です。私が思い浮かべたのは、冬の日の待ち合わせでした。コートを着込んだ2人が落ち合うと、せきを切ったように話し出します。来るまでの寒さや天気のこと、体調の…
関連リンク
- ・(1136)深大寺飛龍春泥界を見る/只野柯舟(1917~2011年)
- ・(1135)夜のぶらんこ都がひとつ足の下/土肥あき子(1963年~)
- ・(1134)マスクして人の怒りを見てゐたり/森賀まり(1960年~)
- ・(1133)デザートの花びらは薔薇(ばら)春みぞれ/島貫恵(1960年~)
- ・(1132)寒すばる童話も言葉惜しみあり/中根美保(1953年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。