「石巻が好き」9割超、「住み続けたい」伸び悩み 小中学生調査、市総計に反映
石巻市のまちづくりの指針となる第2次総合計画の後期基本計画(2026~30年度)に反映させるために実施された子どもたちのアンケート結果がまとまった。小中学生とも9割以上が「石巻市のことが好き」と答える一方、「住み続けたい」との回答は小学生7割、中学生が半数にとどまった。
小学生に15、中学生には32の設問を用意。「石巻市のことが好きですか」の問いに「好き」「どちらかといえば好き」と回答した人は小学生で95%、中学生で94%に上った。「これからも石巻に住みたいですか」との質問では「住み続けたい」「1度離れても、いずれは戻ってきて住みたい」が小学生68%、中学生52%と伸び悩み、子どもたちの複雑な心境をうかがわせた。
■郷土愛目立つ
「住み続けたい」「戻ってきて住みたい」の理由として、小中学生とも「自然が好き」「空気がおいしい」「人が優しい」「食べ物がおいしい」など自然や風土を挙げた。小学生はほかに「生まれた場所、育った場所だから」「イベント(石巻川開き祭りなど)が楽しい」と回答。中学生になると「人間関係が良い」「地元を大切にしたい」「地元に貢献したい」と郷土愛が前面に出る回答が目立った。
小学生の20%、中学生の28%が「他のまちに住みたい」と答えた。理由は小中学生とも「都会に行きたい」「お店が少ない」「遊ぶ場所が少ない」「交通の便が悪い」などと、人口減少に悩む地方都市の現状を反映した回答が多かった。小学生は他に「石巻にない仕事がしたい」「都会の方が給料が高い」と就職を意識した答えがあり、中学生の中には「災害が怖い」など、東日本大震災を意識したとみられる理由もあった。
■交通を便利に
小学生への「次の内容について石巻に住んでいてどのように感じますか」との設問のうち、「市内に働きたい会社がある」は「そう思う」「ややそう思う」の42%を、「ややそう思わない」「そう思わない」の59%が上回った。
中学生に尋ねた「石巻をより良いまちにするため、どのような取り組みに力を入れたら良いと思いますか」との設問では、「電車やバスをもっと便利にする」(26%)「飲食店などのお店を支援する」(20%)「スポーツを盛り上げる」(19%)が上位だった。
調査は市内の小学5年1006人と中学2年982人を対象に、2、3月に初めて実施した。計画最終年度の30年度は小学5年が高校生になり、中学2年は高校卒業直後となる。タブレット端末を活用し、小学生937人(93.1%)、中学生845人(86.0%)から回答を得た。
アンケートの結果は10日、計画の骨子案とともに、市役所であった後期基本計画の審議会で示された。今後は6月に中間案を提示、8月に最終案の答申があり、パブリックコメント(意見公募)などを実施する予定。
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