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第3部・震災の影(5)浮かぶ死角(下)抜けぬ水、誤算の堤防

 体はずぶぬれで、震えが止まらない。

 「もう駄目かもな」。台風19号豪雨がピークを迎えた昨年10月13日未明、岩手県山田町田の浜地区。平屋の自宅が天井近くまで浸水し、数時間にわたり水に漬かっていた黒沢勝夫さん(68)は死を覚悟した。

 午前0時すぎ。東日本大震災の津波にのまれた海側の更地と、陸側の高台…

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