忘年会激減で飲食店悲痛 コロナ対策徹底も「厳しい」 仙台・国分町など

カウンターに置いた飛沫防止板越しに、感染防止のための取り組みを説明する岩渕さん=仙台市青葉区国分町2丁目のクラブ「ピロポ」

 忘年会シーズンを迎え、本来なら書き入れ時の仙台市の飲食店が新型コロナウイルス禍にあえいでいる。感染防止対策を徹底して準備してきたものの、例年に比べ予約は激減。経営悪化への懸念と感染拡大の恐怖感との葛藤を抱えながら、勝負の冬をどう乗り切るか。各店から悲痛な声が上がる。

 「業界に入って18年、今までで一番厳しい」

 青葉区国分町2丁目のクラブ「ピロポ」のママ岩渕りょうさん(44)は肩を落とす。企業の幹部による接待利用を中心に、例年なら連日予約で埋まっていたはずの12月。今年の予約は数件のみだ。

 検温、飛沫(ひまつ)防止板、マスク着用での接客。「安心してもらえるよう、やれることをやり切っている」と岩渕さん。接待を伴う店でクラスター(感染者集団)が相次ぎ、「夜の街」とひとくくりにされる悔しさがある。「女性が入ることで会話がまろやかになり、仕事が進む様子を見てきた。社交の場がなくなれば、人との縁すら薄れてしまう」

 同区本町で居酒屋を運営する「おやじ」は、市内での感染拡大後、1店を休業し、残る2店を社員11人でやりくりする。窓を開放して換気し、テーブル間を広げた。それでも忘年会は昨年から半減の見込みだ。

 「利用してほしいけど『絶対』大丈夫と言えないもどかしさがある」。石山靖社長(45)は写真共有アプリ「インスタグラム」でお薦めメニューを毎日紹介し、地道に発信を続ける。休んだ店を来年5月にも改装オープンさせる目標に向け「余裕はないが、新しい挑戦に懸ける」と前を向く。

 同区一番町3丁目の老舗ウナギ料理店「大観楼」は団体客向けの大広間の利用が激減。週1回、最大4人1組の予約にとどまる。遠藤慎一社長(53)は、予約がキャンセルされるたび「来年2回やってください」と笑いを交えて応じる。

 コロナ収束後も宴会需要は戻らないとみて、テークアウト、家族会食、昼営業に注力。売り上げは前年の3割減で踏みとどまる。県料理業生活衛生組合理事長を務める遠藤社長は「日本料理店の多くは大広間を備え、密になりにくい」と安全性をアピールする。

 同区中央4丁目の仙台国際ホテルは、忘新年会の件数は前年比7割減と予測する。「タクシーがエントランスに並ぶ光景が見られない」。堀川順弘総支配人(59)は寂しげに語る。

 消毒や換気はもちろん、ビュッフェ形式の宴会では料理を取る際にマスクと手袋を着けてもらう。堀川総支配人は「ホテル側だけでなく、主催者、お客さまとが一緒に取り組まないと感染症は乗り切れない」と呼び掛ける。

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