宮城の地域スポーツクラブ厳しい運営 感染拡大で会員減、年度替わりに募集できず

フェースシールドとマスクを着用してグラウンドゴルフを楽しむ会員ら(なかだスポーツクラブ「パティオ」提供)

 宮城県内の総合型地域スポーツクラブ(地域SC)が、新型コロナウイルスの感染拡大で難しい運営を強いられている。活動自粛で会員が減少し、再開後も感染予防と健康増進の両立に腐心する。社会的距離の確保など工夫を凝らしながら、地域住民に運動を楽しむ場を提供し続けている。

 宮城県スポーツ協会によると、県内で活動する地域SCは53団体。4月の政府の緊急事態宣言に伴って全団体が活動を一時休止した。1団体は解散を余儀なくされた。再開後も全ての地域SCで会員が1~5割減少。第1波と年度替わりが重なり、公共施設の閉鎖などで会員を募ることができなかったのが響いた。

 追い打ちを掛けるのが運営費の減少だ。会員が減り、感染予防のため参加者の人数制限なども加わり思うように会費収入が上げられない。「密」を避けるため広い会場を確保する必要があり経費は増大。活動場所へのバス移動ができず、高齢者に人気のノルディックウオーキングを再開できないクラブもあるという。

 独自の対策に乗り出した地域SCもある。2004年設立の登米市の「なかだスポーツクラブ『パティオ』」は約400人の会員が一時休止により約10分の1に激減した。安全確保のアピールのため、休止期間にクリアファイルを活用した手製のフェースシールド約100枚を会員に配布。移動のバス車内でマスクとともに着用を義務づけた。会員もそのままの格好でグラウンドゴルフなどを楽しんでいる。

 現在の会員数は約200人まで回復。佐々木猛会長は「感染予防とはいえ、家に閉じこもるだけでは体に悪影響がある。コロナと付き合いながら、特に会員全体の7割を占める高齢者の健康、仲間、生きがいの三つをつくる場を今後も担いたい」と決意を語る。

 宮城県蔵王町の「宮城蔵王スポーツクラブ」は、7月に天然芝グラウンドが完成したが、利用予定だった各競技団体の合宿が軒並み中止となった。

 現在、地元住民にグラウンドを開放したり、タックルの代わりに腰に付けたひも状のタグを奪うルールで、接触の少ないタグラグビーを地元児童らに指導したりする。

 松崎聡一代表は「スポーツがなくなれば人の心は暗くなる。少しでも接して楽しむ状況をつくりたい」と話す。

 宮城県スポ協も各地の地道な活動を支援。各団体に非接触型体温計を支給したほか、指導者がオンラインで指導するためのビデオ会議アプリ「Zoom」に関する講習会も実施した。県スポ協によると、地域SCから感染者が出た報告はないという。

[総合型地域スポーツクラブ(地域SC)]種目や世代、技術レベルを超え、誰もがスポーツを楽しめる機会を提供する地域密着型クラブ。住民主体で運営し、参加者が会費を出し合う受益者負担を原則とする。生涯スポーツ社会の実現を目指し、欧州で普及する仕組みを参考に文部科学省が提唱した。

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