うたの泉(1438)そのかみに日本列島ありました 謎の言の葉「ただいま」「おかへり」/笹原玉子(ささはら・たまこ)(1948年~)
「そのかみに」は昔のこと。日本が遠い昔に存在した国のように捉えられています。そこでは「ただいま」「おかえり」など呪文のような言葉を使っていたという。こう歌われると普段当たり前のように使っている言葉が意味不明の不思議な響きに感じられます。常識をひっくり返したような歌。<マフラーを首巻きといふ祖母の春…
関連リンク
- ・うたの泉(1437)坂下るわれと等しき速さにて 追ひ来る冬の月の目鼻や/水原紫苑(みずはら・しおん)(1959年~)
- ・うたの泉(1436)朴の木の落葉地に舞ふ われを出でて 最後となるはいかなる言葉/寺松滋文(てらまつ・しげふみ)(1926年~)
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- ・うたの泉(1434)神ということばを聞かぬこの冬の かすかに革の匂う手袋/杉崎恒夫(すぎさき・つねお)(1919~2009年)
- ・うたの泉(1433)柴犬の優しいつり目こんがりと トースト色の尾を振り立てて/清水あかね(しみず・あかね)(1966年~)