デスク日誌(1/30):雪深い

 秋田県の自殺率の高さは気候と関係ありや否や。職場や茶の間でよく話題に上るテーマの一つだ。

 秋田の空はころころ変わる。朝方に土砂降り、雷鳴がとどろいたかと思えば、日中は突然ひょうが降ったり晴れたりと忙しい。冬は毎日のように曇天が続き、気分がふさぐ。

 自殺の原因は複雑で、気候との関連が全くないとは思わないが科学的な根拠もない。秋田の冬の厳しさを示す一例として自殺率の高さが引き合いに出されているのかもしれない。

 年末年始に県南部を中心に襲った大雪は、その厳しさを見せつけた。交通はまひし、農業関係の被害が拡大。除雪のマンパワー不足も深刻だ。

 体力の要る雪かきを高齢者が行うのは難しく「自助」は成り立たない。「共助」のボランティアは人手が足りず、自治体が当初用意した除雪費は底を突き「公助」にも限りがある。

 雪深い秋田の農家に生まれ、県出身初の首相になったあの人に古里は見えているだろうか。過去最悪ペースで高齢者らが除雪中に命を落とす現実は、過疎高齢化に向かう国のありようを問い掛けている。
(秋田総局長 久道真一)

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