手合わせ前へ進む 福島・双葉で10年の節目「墓じまい」

廃止される共同墓地で手を合わせる住民ら(写真は一部加工しています)

 東京電力福島第1原発事故の影響で住民避難が続く福島県双葉町で5日、地区の共同墓地を閉じる「墓じまい」があった。東日本大震災と原発事故から間もなく10年。避難先から集まった住民らは静かに手を合わせ、先祖代々の墓地に別れを告げた。
 廃止されるのは中浜と中浜南川原の2カ所。計約80世帯の墓があり、行政区が管理してきた。津波で墓石のほとんどが流され、避難指示が出たためほぼ手付かずの状態が続いてきた。
 2016年度から海岸防潮堤の整備が本格化し、住民の多くは避難先や町が新たに整備した共同墓地に改葬。県の海岸防災林の整備に伴い、19年夏から改葬公告を行うなど廃止に向けた手続きが進められてきた。
 墓じまいには、県内外に避難する住民ら約30人が参列。僧侶が読経して引き取り手が判明しなかった遺骨の「魂抜き」を行い、その後、町の共同墓地にある永代供養墓に納められた。
 須賀川市に避難している浜野行政区長の高倉伊助さん(64)は「自分たちの世代で一つの区切りをつけようと思った。前に進んでいきたい」と話した。県によると、墓石などは砕いて防災林の盛り土に活用する。

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