宮城知事が福島第1原発を初視察 「処理水の不安解消を」

東電幹部の説明を受ける村井知事。左奥は3号機の原子炉建屋=24日、福島第1原発(写真部・川村公俊撮影)

 村井嘉浩宮城県知事は24日、過酷事故を起こした東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)を初めて視察した。廃炉作業の現場や敷地内にたまり続ける放射性トリチウムを含む処理水の保管状況を確認。東電の小早川智明社長とも会談し、政府が検討する処理水の自然界放出に対する県民の不安解消に向け、積極的に説明するよう求めた。
 村井知事は、2022年夏以降に満杯となる見込みの処理水保管タンク群を見学。1~4号機の原子炉建屋を望む高台では、福島第1廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者から、建屋内のがれき撤去や地下水流入対策の説明を受けた。
 視察後、村井知事は東電に(1)環境や安全に配慮した廃炉作業の徹底(2)農林水産業への賠償対応(3)国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)を下回る汚染廃棄物の現状把握(4)処理水対策の周知-の4点を要請。小早川社長は「処理水の量を減らしながら、環境のモニタリングをしていく。(県民に処理水が)安全と分かってもらう責任はわれわれにある」と応じた。
 終了後、村井知事は「処理水はトリチウムを除き(放射性物質濃度が)低いレベルになっている」と感想を語った。海洋や大気への放出の是非には言及しなかったが、「頭と心の理解は別問題。風評被害が起きることは間違いない」と懸念を示し、風評被害対策の必要性を訴えた。
 視察は、東北電力が廃炉作業に着手した女川原発1号機(宮城県女川町、石巻市)への対応の参考にする目的もあった。知事は「事故を起こした原発を安全に廃炉できれば、他の原発も安全に廃炉できる」との認識を示した。

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