橋りょうの老朽化をドローンで点検 日大工学部と福島の5社が新システム開発

ドローンを使った点検システムの実証実験の様子(日本大工学部提供)

 日本大工学部(郡山市)は福島県内のIT関連業者など5社と共同で、小型無人機ドローンを活用した橋りょう点検システムを開発した。インフラの老朽化が進み、点検技術者不足が深刻となる中、点検の省人化や効率化を図る。同大は17日に南相馬市の福島ロボットテストフィールドで、県内の測量や建設業者など関係者を対象にデモンストレーションを開催する。

 システムは長さ15メートル以上のコンクリート橋や鋼橋などが対象で、橋りょう点検車での点検が難しい場所での活用を想定。ドローンで撮影した画像データを基に人工知能(AI)で腐食やひび割れ、ボルト抜け落ちなどを解析できるほか、橋の3D地図に落とし込むことで経年劣化を容易に確認できる。専門技術者が現場に足を運ばなくても、ドローン操縦者とやりとりしながら遠隔で点検することも可能となる。

 研究は県と連携し2018年度から3年間、県内の関係企業と共同で取り組んできた。実証実験では点検日数が約半分、費用は約6分の1まで下がった現場もあったという。今後実際の現場で試用してもらい、改良を進めながら実用化を目指す。

 点検事業者やドローン専門業者向けにマニュアルも作成。講習を実施し、点検や飛行技術を持つ人材育成にも取り組む予定だ。

 国土交通省によると、県内の橋の数は約1万8400。このうち建設後50年を経過した橋が20年3月末で約3400ある。20年後には約9900となり、老朽化対策が急務という。

 研究リーダーの子田康弘土木工学科教授(コンクリート工学)は「新技術を積極的に活用してもらい、まずは福島県としてのノウハウを確立したい。浜通り、中通り、会津と気候条件の違う多くのサンプルがあるため、福島の技術は東北や全国でも応用できる」と話す。

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