19年度・東北企業 震災後初の売上高減

 東日本大震災後以降、東北6県の企業の売上高は増加が続いてきたが、2019年度に初めて減少に転じたことが、東京商工リサーチの企業業績調査で分かった。純利益も17年度をピークに減少しており、同社は「震災復興からのピークアウトが鮮明になってきた」と指摘する。
 震災前の09年度を100とした震災後19年度までの売上高、純利益の推移はグラフの通り。いずれも近年は減少傾向だが、リーマン・ショックの影響が残る09年度より高い水準で、19年度の売上高は09年度比で約2割増(122・0)、純利益は約2・8倍(277・9)だった。
 売上高は全国に比べて東北の上昇率が大きかった。業種別では、建設業が震災による工事中断などで10年度に減少したが、その後は急回復。16年度に09年度比で約5割増(151・3)とピークを迎え、17年度から減少が続く。
 他の製造業、小売業はピークでも3割増に届かず、卸売業、サービス業他は2割増に届かなかった。建設業は全業種の中で早く減少に転じたものの、震災後の景気をけん引した様子がうかがえる。
 純利益は、震災による特別損失計上で10、11年度は大幅に減ったが、その後は回復して17年度に09年度比約3・7倍(368・4)で最大となった。東北の純利益の上昇率は、12~17年度は全国を上回ったが、18年度以降は逆転した。復興需要の落ち込みによる東北の減益が鮮明になった。
 同社情報本部の担当者は「震災復興が進んでいるイメージはあるが、産業基盤の損失は大きかった。ここに新型コロナウイルスの影響が加わり、20年度の売上高、純利益はさらに低下する可能性がある」と話す。
 調査は同社の企業データベースを活用し、09年度から19年度まで連続で比較可能な東北の約2万6000社を対象に実施した。

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