聖火リレーにくすぶる不満 東北の自治体関係者「コロナ対策丸投げ」「密や中断、誰が判断」

聖火を桜をモチーフにした聖火皿に点火する吉田沙保里さんと野村忠宏さん。1年延期された聖火リレーはコロナ対策の徹底が不可欠だ=2020年3月20日、東松島市

 東京五輪・パラリンピック組織委員会が公表した五輪聖火リレーの新型コロナウイルス対策を巡り、東北6県の担当者が困惑している。組織委は沿道の密集対策、到着式典の入場制限を求めるが、具体的な運用は事実上自治体に丸投げした。スタートまで1カ月を切り、各県は手探りで実効性ある対応を迫られている。

 聖火リレーは3月25日、福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)を出発し、7月23日まで全国を一巡する。到着式典の観覧者が事前予約制と決まり、福島県は今月26日に募集を始めた。
 県内3カ所で行う式典の定員は、当初想定の3割弱に当たる計1600人に絞った。県五輪・パラリンピック推進室は「いつ対策が示されるか分からなかったので、独自に準備を進めてきた。福島は他県の先例にもなる。万全の対策を取りたい」と気を引き締めた。
 沿道など現地での観覧は、適切な距離を取り、マスクを着け、拍手で応援。居住地以外の観覧を控えるよう要請された。過度な密集が発生すれば、リレー中断の可能性はゼロではない。
 6月19~21日の宮城県では、日本三景松島を通る20日が日曜。観光客が集まり、密になる懸念がある。
 県五輪・パラリンピック大会推進課は「中断する場合の判断を組織委、県のどちらが行うかも決まっていない。警備員をどこに手厚く配置するかなど課題は多い」と不安を隠せない。
 初日の6月6日が日曜の山形県スポーツ振興・地域活性化推進課も「密集ができたとしても、沿道から観衆を離す強制力はない。現場での対応は難しい」と指摘。秋田県スポーツ振興課は「どんな状況になったら密と言えるのか。基準がはっきりしない」と漏らす。
 沿道にファンが殺到するのを避けるため、著名人ランナーは入場を制限できる競技場や公園で走ることも想定される。
 岩手県は高田延彦さん、山田邦子さんら約20人の著名人が参加する予定だ。県五輪・パラリンピック推進室の担当者は「制限しても、周囲に人がどれだけ集まるか予測できない。中断だけは何としても避けたい」と話す。
 密集回避策として、インターネット中継の視聴も推奨された。青森県企画調整課は「応援か、自粛か。相反することをどう県民に伝えていくのか難しい。『こうしてください』という明確なルールを決めてほしかった」と本音を明かした。

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