東日本大震災から10年となった11日、岩手、宮城、福島3県各地で追悼式が行われた。新型コロナウイルスの影響で昨年に続いて参列者を絞る自治体が多く、感染対策を徹底して故人や復興への思いを深めた。
多賀城市文化センターで営まれた市主催の追悼式には宮城県の村井嘉浩知事が参列。出席者は遺族ら約90人に限定した。
最大被災地の石巻市は整備した市複合文化施設で開催し、参列者は国歌斉唱をせず座席の間隔を空けた。
岩手県は陸前高田市と合同実施し、「密」を避けるため会場を高田松原津波復興祈念公園と市民文化会館に分けた。達増拓也知事の式辞に続き、戸羽太市長が「今後も犠牲者の思いを大切にする」と述べた。
福島県が福島市の県文化センターで行った式典も招待客を絞り、例年の半数程度の220人が参列した。
初めて盛り込まれた「誓いのことば」で、ふたば未来学園高2年政井優花さん(17)が「被災した人や復興に向けて頑張る人が偏見で苦しむことなく、他者の痛みに寄り添える未来社会を築く」と宣言した。
2月13日に福島県沖で起きた地震の影響を受けた自治体もあった。震度6強を観測した相馬市では予定した会場で天井にひびが入るなどし、スポーツアリーナそうまに変更した。いわき市も被災した会場から市立総合体育館に変え、インターネットのライブ配信は設備が整わず中止した。
(陸前高田市に住んでいた)震災当時、中学3年だった私も社会人として日々生きている。この10年、生きることに必死で、たくさんの人に助けられながらここまできた。正直、あの日を境に両親、祖母が亡くなりこんな人生を歩むとは思っていなかった。
今は障害や福祉のイメージを変える企業で仕事をしている。もし両親が生きていたら応援してくれたのだろうかと思うこともある。仲間と頑張っていきたい。
震災後、家族は当たり前の存在ではないと知り、もう後悔しないように生きようと思った。しかし、親切にしてくれる人、近くにいる人に迷惑を掛けることも多く、後悔するばかりで情けない。
10年という長いようであっという間の時間がたった。まだつらく悲しい思いをしている人は多い。一個人ができることは小さいが、生きている限り一人ではない。振り返るとたくさんの人が周囲にいて、知らず知らずのうちにお互い助け合いながら生きている。
災害や事故は日々起こり得る。家族や周囲の人に日々感謝しつつ、その存在は当たり前ではなく、死と隣り合わせで生きていることを知ってほしいと思う。
あの日、大きな地震とともに化け物のような巨大な津波が大切な日常を奪っていった。泣きながら避難所対応の仕事に就き、3日が過ぎてやっと(石巻市)北上町に戻ることができた。目の前には地獄のような光景が広がっていた。
妹(佐藤郁美さん)が働いていた北上総合支所は無残な姿に変わっていた。その後、妹が見つかったとの連絡で遺体安置所に両親と向かった。妹の体は冷たく硬く、いくら呼んでも返事をしてくれなかった。どんなに怖く、苦しかったか。
震災から1週間後、火葬が決まった。今にも起き上がりそうな顔を見詰めながら、全てがうそであってほしいと願った。こぼれる涙は止まらなかった。
10歳下の妹は、娘のような友達のような存在だった。何もかも失い、すがる当てを求めて妹の携帯電話を鳴らしたこともあった。妹の友人たちが集めてくれた写真は妹の笑顔であふれていた。その写真を見て、私は再びこの地で笑いたいと思うようになった。
私は現在、たくさんの人たちに支えられながら、地元の仲間と共に、また笑い合える古里を取り戻そうと活動している。あの震災を忘れないためにも。
一瞬で大勢の命が奪われた悪夢のようなあの日から10年。高校が休みで家にいた次女の美咲、歯医者帰りのじいちゃん、畑いじりをしていたばあちゃん、仕事を終えて家に戻っていたお父さん(夫)。大津波で愛する家族4人を亡くした。
美咲の遺体に会えたのは津波発生から3日目。その後、ばあちゃんとお父さんの遺体も見つかったが、家族が見つかった安堵(あんど)感と、どうして早く避難してくれなかったのかという悔しさと、複雑な気持ちでいっぱいになった。じいちゃんは今も見つかっていない。
美咲、料理好きだったあなたは私の誕生日にケーキを焼いてくれた。ばあちゃん、ばあちゃんの漬物がまた食べたい。お父さん、30年目の結婚記念日に「ありがとう」と言ってくれたお父さんの声が耳に残っている。じいちゃん、大好きな盆栽をしながら暮らしているの? ずっと待っているから、早く帰ってきて。
震災の記憶を決して忘れてはいけない。忘れさせない。早め早めの避難が大切ということをしっかり後世に伝えていく。それが亡くなった人たちへの最大の供養になる。みんな、どうか私たちの頑張る姿を空から見守っていてください。
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