キチジだけの笹かま完成 南三陸・及善商店「覚悟の一品」

キチジで作った笹かまぼこ「龍乃舞」を手にする及川社長

 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町のかまぼこ製造「及善商店」が11日、高級魚のキチジを100%使った笹かまぼこ「龍乃舞」の販売を始めた。創業141年の老舗が震災10年の節目に、全国からの復興支援に感謝の気持ちを込めて作り上げた。

 笹かまぼこの看板商品「リアスの秘伝」は原料にキチジを使っているが、量は全体の1割ほど。キチジは身が柔らかいため、かまぼこになりにくいという。

 龍乃舞は昨年11月に試作を始めた。伝統の技術と独自の調合ですり身に粘りを出し、ふっくらと焼き上げた。商品名には、昇り竜のように天を目指してまい進する心意気を込めた。

 同社によると、キチジのみで作った笹かまぼこは全国でも例がないという。及川善祐社長(67)は「キチジの上品な甘みが堪能できる。今後もかまぼこ作りのプロとして仕事を続ける覚悟の一品」と胸を張る。

 同社は、震災の津波で同町志津川地区の中心市街地にあった店舗と工場を失った。隣の登米市の空き工場を借りるなどして製造を続け、2017年に町内に工場を再建した。

 及川社長は「全国の皆さんに支えられ、南三陸で商売を再開できた。震災から10年の集大成となる商品を通じて感謝を伝えたい」と語る。

 1箱5枚入りで3500円。販売は限定2000セット。南三陸さんさん商店街の店舗や同社のインターネットショップで購入できる。連絡先は同社0226(46)2048。

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