仮設校舎で最後の卒業式 原発避難の福島・大熊中 近隣住民が窓に「祝卒業」の書

東京電力福島第1原発事故で会津若松市に避難する福島県大熊町大熊中の卒業式があった。仮設プレハブ校舎で学んだ最後の卒業生として、花束を手にする(右から)長谷川心音さん、東理このみさん、斎藤菖(あやめ)さんが見送りの小学生らと記念撮影した=12日正午ごろ、会津若松市の大熊中仮設校舎
卒業証書を受け取り涙ぐむ(右から)斎藤さん、東理さん、長谷川さん
仮設校舎そばの自宅2階の窓に「祝卒業」の書を貼った田村さん夫妻

 東京電力福島第1原発事故で福島県会津若松市に避難する同県大熊町大熊中の卒業式が12日、同市一箕町の仮設プレハブ校舎であった。8年間で役目を終えることになった仮設校舎で学んだ最後の卒業生3人が、思い出と感謝を胸に巣立った。
 卒業したのは斎藤菖(あやめ)さん、東理このみさん、長谷川心音さん。新井田克生校長は式辞で「諦めなければ物事は変化する。逆境をはね返すヒントを与えてくれる」と述べ、避難先で勉学に励んだ3人をたたえた。
 3人は進学で離れ離れになるが、友情は固く結ばれた。東理さんは「3人で毎日おしゃべりして仲良くなった」と振り返る。
 斎藤さんは「2人は私を変えてくれた。自分は自分のままでいいと思えるようになった」、長谷川さんは「つらい時、2人は笑顔で話を聞いてくれた。多くの人に支えられ、3人でも寂しくなかった」と感謝した。
 1、2年生がいないため、見送りに同市河東町に仮校舎を置く町の小学校の全児童9人がサプライズで参加。近所の田村建一さん(78)、妻久子さん(70)は今年も自宅2階の窓に「祝卒業」の書を貼った。建一さんは「元気な声を聞けなくなるのは寂しいが、皆明るい」と目を細めた。
 大熊中は2011年4月に同市で授業を再開。13年、現在の仮設校舎に入った。22年春の義務教育学校移行を前に新年度は小学校の校舎に移る。

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