古里に集いの場を 東北芸工大4年勝又さん、複合施設で地域再生を後押し 宮城・東松島

パソコンを使い、複合施設の開設準備に当たる勝又さん

 宮城県東松島市出身で東北芸術工科大(山形市)4年の勝又菜弥稀(なみき)さん(22)が、古里で14日に内覧会のある複合施設の開設に尽力している。東松島市は東日本大震災の津波で甚大な被害を受け、勝又さんも自宅が全壊するなどした。「世代を超えて住民が集まり、楽しむ場に」。交流拠点としての機能向上に力添えし、地域再生を後押しする。
 施設は北原病院グループ(東京)が同市野蒜ケ丘に開設する「いろどりの丘」。介護施設、クリニックに大浴場やレストラン、農場、庭園などを併設し、医療の枠を超えて地域住民の交流と健康づくりを進める。
 今春卒業して同グループに就職する勝又さんは2月から1カ月間、大学の連携事業として2~4年生11人と共に施設の「UI/UXデザイン」を担当した。年代や性別で分けた架空の利用者を見立て、それぞれの好みに合った楽しみ方を細かく設定し、サービスの向上を図る手法だ。
 勝又さんは「70代男性」を担当し、運動不足を解消するため農園を利用し、昔遊び教室に参加して子どもたちとの交流を楽しむことを提案した。「施設を活用して生きがいを見つけ、健康づくりを続ける機会になれば」との思いを込めた。
 震災時は東松島市赤井南小6年。押し寄せた津波が避難先の体育館の扉で止まって助かった。自宅は全壊し、体育館で約1カ月過ごした。避難住民らが少ない食料を分け合い、協力して生活を送る姿に「人は支え合わないと生きていけない」と痛感した。
 大学では映像を学び、山形県飯豊町の農家民宿のCMを制作する課題に取り組んだ。過疎地で得た経験から「復興途上の古里を活性化させる仕事に就きたい」と帰郷する道を選んだ。
 就職後は施設全体の運営に当たり、広報活動にも携わる予定だ。「施設を軸に地元住民の輪が広がってほしい」と願う。
 14日は現地で内覧会がある。連絡先は0225(86)1181。

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