岩手・大槌町旧庁舎跡地で職員追悼式 町長「犠牲者と遺族におわび」

旧大槌町役場で行われた追悼式で献花する遺族。右から2人目は平野町長

 東日本大震災で当時の町長と職員計39人が亡くなった岩手県大槌町は11日、そのうち28人が犠牲になった旧役場庁舎の跡地で職員追悼式を開いた。遺族13人と職員合わせて約40人が参列し、家族や同僚の死を悼んだ。

 平野公三町長は追悼のあいさつで「(第三セクター職員を含む)40人の顔を懐かしく思い出す」と語り掛けた。「跡地は災害対策の拠点となるべき役場と職員を失うことで復旧復興が困難になった象徴的な場所」と強調。「津波の恐ろしさを視覚的にイメージできるものを設ける」と教訓伝承の場として積極的に活用することを約束した。

 震災発生時、総務課主幹として防災行政の担当者だった自らの責任については「高台避難の機会を逸し、町民への避難指示の発令を町長、総務課長に具申できなかった。甚大な被害を防げず、犠牲者と遺族に深くおわびする」と認めた。当時を振り返り「危機感が薄く、津波常襲地帯である過去の教訓が生かされなかった」と反省した。

 遺族は一人ずつ献花し手を合わせた。姉の則子さん=当時(50)=が行方不明の北上市のパート従業員菊池恵美子さん(59)は「10年たったけれど今年が一番悲しい」と涙をこぼした。「町長は『生き残ってしまった』と言っていたが、自身も苦しんでいるのだと思う」とおもんぱかった。

 兄の健さん=当時(30)=が見つかっていない大槌町の会社員倉堀康さん(37)は「町が伝承に取り組むのはいいことだが、町民と一体で考えるべきだ。自分もできることをしていく」と語った。

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