乗客に震災体験語り継ぐ 三鉄が「リレー列車」運行

冨手さん(中央)のガイドに耳を傾ける参加者

 岩手県沿岸を走る第三セクター三陸鉄道(岩手県宮古市)は11日、東日本大震災の発生から10年に合わせ、「3・11を語り継ぐ 感謝のリレー列車」を運行した。盛(大船渡)-久慈間のリアス線全線163キロを4時間半かけて走り、社員が震災当時の出来事や感謝の思いを語った。

 県内外から30人が参加。7人の社員が交代でガイドを務め、10年前の被害の様子や、車窓から見える復興状況を説明した。

 旅客営業部副部長の冨手淳さん(60)は震災直後、被害状況の把握に奔走した。「津軽石駅(宮古市)では列車が津波に流され、くの字になった」「停電だったため、宮古駅構内のディーゼル車両を対策本部として1週間利用した」と当時の写真を示し振り返った。

 石川県輪島市から参加した住職経塚(つねづか)幸夫さん(67)は、被災地の現状を見ようと福島県から沿岸部を北上してきた。「復興は途上の印象だが、三鉄に初めて乗り、湾ごとに住まいや駅がある三陸海岸の様子がよく分かった。きれいな海を見ながら長い距離の路線が残っているのがいい」と話した。

 震災発生時刻の午後2時46分には、閉伊川の鉄橋に列車を止め、宮古湾に向かって黙とうをささげた。

 中村一郎社長も乗り込み「おととしの台風19号被害もあったが、全国の支援でここまで復興できた。多くの方とのつながりを大事に、三陸地域に少しでも貢献できるよう頑張りたい」とあいさつした。

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