駆除イノシシ埋設の手間省く 処理施設を丸森町が整備

丸森町が導入した分解処理装置

 宮城県丸森町は、駆除したイノシシを分解処理する有害鳥獣減容化施設を町内に完成させた。4月に稼働を開始する。東京電力福島第1原発事故の影響でイノシシが急増しており、処分を担う駆除隊の負担を軽減する。

 2基の装置があり、年間約1880頭の処理が可能と見込む。駆除したイノシシを装置に投入。内部に水分を含んだおがくずがあり、温度を約60度に保ち攪拌(かくはん)すると、おがくずの常在菌により水と二酸化炭素に分解される。使用後のおがくずは、仙南クリーンセンター(角田市)で焼却する。

 体重50キロのイノシシは5日間で処理でき、1基当たりの最大投入量は310キロ。駆除隊員は無料で使用できる。これまでは山中などで埋設処分しており、隊員にとって重労働だった。

 施設整備の総事業費は9774万円。県内では同様の施設が2019年、村田町に開設されている。

 丸森町でのイノシシ捕獲数は11年度に200頭程度だったが、原発事故後に急増。20年度は今年1月現在で1636頭に上る。住民避難の影響で増えた福島県内の個体が入り込んだとみられ、農作物被害も深刻化している。

 町は駆除隊の隊員を増やし、20年度は76人と11年度からほぼ倍増させた。町農林課の担当者は「隊員の高齢化もあり、解体より手間がかからない分解処理を導入した」と説明する。

 28日に施設の見学会があり、隊長の斎藤謙一さん(73)は「特に夏場は腐りやすく、すぐ埋設しなくてはならなかったので大変だった。稼働率を高めたい」と期待した。

 原発事故後、イノシシ肉は出荷制限が続いている。

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