河北抄(4/3):「皮をはいで染めましたところ、花霞のよう…

 「皮をはいで染めましたところ、花霞のような美しい桜の色がそのまま出ました」。染織家の志村ふくみさんが『一色一生』という著書に書いている。樹皮を使って桜色に染められるのだそうだ。
 あの薄茶色の樹皮のどこに、桜花の色が潜んでいるのだろう。不思議で仕方がない。志村さんも、別の対談本で「なぜ木の中からああいうピンク色が出るのかが不思議なんです」と述べている。
 ピンクという色名より、むしろ志村さんは「強いて言えば、肌色なんですね。赤ちゃんの肌の色なんです」と語る。そして「その色が、私は植物の精の色じゃないかなと思うのです」。
 宮城県内ではちょうど今が桜の満開か場所によっては散り始めだろうか。春らんまん、桜花が最も映える時季だ。そんな咲き誇る桜を見るたびに、志村さんの言葉が思い出される。
 「赤ちゃんの肌の色」を思わせる「植物の精の色」。満開の桜を見ると、なぜか活力をもらったような気分だ。元気な赤ちゃんのような生命力-。それが桜の木々にはあふれているから?

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