秋田・白神 入山禁止を問う 佐藤 昌明 著
青森、秋田両県にまたがる白神山地。広大なブナ原生林は、わが国の世界遺産登録第1号となったが、ブームは一時の現象で、近年は入山者が激減している。山に入るには青森側が「届け出制」なのに対して秋田側は「入山禁止」と、それぞれの県で異なる。入山者が減っているのに、入山規制をそのまま続けていいのだろうか。山の現場を歩き、関係者にインタビューし、時代の変化に対応して秋田側も「届け出制」へ移行するよう提言するルポルタージュだ。
世界遺産登録が1993年。当初は「登山者急増で自然が破壊される」「ごみの捨て場にしていいのか」と、オーバーユースの懸念が盛んに報道された。しかしブームは最初だけで、現在の入山者はピーク時の5分の1に減っている。
著者は「白神周辺の町村は急激に過疎化が進んでいる。このままでは地元で山を知る人が誰もいなくなってしまう。例えば遭難事故が起きて、救助できる人がいなくなったらどうするのか」と危機感を訴える。入山禁止のままでは、山の暮らし、文化の継承も途切れてしまう。
話は三十数年前にさかのぼる。広大なブナ原生林が守られたのは、白神山地を縦断する青秋林道の建設を自然保護・住民運動で阻止したからだが、反対運動の中に「入山禁止」の発想はなかったはずだ。なぜこうなったのか。当時の取材メモと住民運動を主導した登山家の根深誠さん(弘前市)の証言を基に再現、検証する。
林道は、北村正〓・青森県知事(当時)の英断で中止された。核燃料サイクル基地や原発を推進していた青森県知事を決断させたのは何だったのか。これまで語られることのなかった舞台裏の真相が、ここで初めて明らかにされる。
著者は1955年福島県飯舘村生まれ。河北新報社勤務を経て現在フリージャーナリスト。30年以上、白神山地の問題を追ってきた。(明)
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