宮城のGoTo食事券、7月以降は紙くずに?

販売初日、特設ブースで食事券を求める買い物客ら=2020年11月16日、JR仙台駅東西自由通路

 新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念される宮城県内では、政府の飲食業界支援策「Go To イート」食事券の販売が3月16日に停止されたまま同月末に終了となりました。既に販売された食事券はいつまで利用できるのか、改めて販売される可能性はあるのかなど、現状と今後の見通しを取材しました。
(編集局コンテンツセンター・藤沢和久)

有効期限「3月末」も6月末まで利用可

 宮城の食事券は昨年11月16日に発売されました。今年3月16日に販売が停止されるまでは、額面1000円の食事券が5枚つづりになった5000円分の1冊を4000円で購入することができました。

 この食事券は6月末まで県内約3900の飲食店で使うことができます。おつりは出ません。当初は販売期間が1月末まで、利用期間は3月末までの予定でしたが、新型コロナの感染拡大でそれぞれ期間が延びた背景があります。

 このため食事券に書かれている有効期限は「3月31日」となっていますが、県商工金融課によりますと記載にかかわらず6月末まで利用できます。ただ感染再拡大を踏まえた県の要請を受け、販売や飲食店の換金といった業務を担当するキャンペーン事務局は、利用を当分控えるよう呼び掛けています。

販売再開後に感染者増 県、苦い記憶

 新型コロナが収束しないまま利用期間が終了する6月末になった場合、どうなるのでしょうか。キャンペーン事務局は「今後のことは未定」と言います。払い戻しには応じていません。

 現状では7月以降、食事券は紙くずになってしまう可能性もあります。県は全国知事会を通して販売・利用期間を再び延長するよう国に求めていますが、4月9日の時点で答えは出ていません。

 国は最長でも販売を5月末まで、利用は6月末までと設定しています。今の制度の枠組みでもこの期間内なら販売・利用を再開することが可能ですが、県の担当者は「現実的ではないでしょう」とみています。

 県内では12月28日に食事券の販売が停止され、2月23日に再開したところ直後に感染者が増え、1カ月足らずの3月16日にまた販売停止に追い込まれた苦い記憶があります。

 県は5月5日まで、緊急事態宣言の前段階の「まん延防止等重点措置」の対象になっています。措置の解除後すぐの利用再開に県は否定的です。

未販売の35万冊が無駄に?

 食事券は全国で47都道府県のうち14都道府県(4月5日時点)で販売一時停止を余儀なくされました。15都道府県は利用の期間や時間を区切ったり、酒類の提供を伴う店で使うことを控えたりするよう呼び掛けています。

 それでは、コロナ禍が収束したら仕切り直して再び販売され、利用できるようになる可能性はあるのでしょうか。

 これに対し県は「仮定に仮定を重ねた話であり、お答えできません」と慎重な姿勢を示します。販売・利用期間は閣議決定によって決まったため、事業を所管する農林水産省は「仮に実施するとしたら閣議決定を変更する手続きが必要になります」と言います。

 県によりますと、用意した140万冊のうち3月15日時点で約104万冊が販売されました。3月末までの利用率は59・1%となっています。

 このまま6月末を迎えることになれば、少なくとも未販売の約35万冊が無駄になりかねません。県は「食事券は飲食店に対する支援が目的であり、そうした支援が十分に行き渡らないことがもったいないとも言えます」と話しています。

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