処理水タンク増設へ 東電、政府方針決定後に表明

タンク増設が見込まれる空き地の一つ。敷地内には活用予定のない「空白地帯」が複数存在する=2月、福島第1原発

 東京電力福島第1原発の処理水を巡り、東電が政府の処分方針決定後に保管タンクの増設を表明する見通しになったことが9日、分かった。政府は13日に関係閣僚等会議を開き、海洋放出方針を決める方向で調整している。政府が「先送りできない」と強調してきた前提となる満杯時期は曖昧なまま、10年越しの難題は重大な局面を迎えた。

 全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長は7日に菅義偉首相と会談し、タンク増設などによる処理水保管の継続を要望。菅首相は他の要望4項目と合わせ「しっかり受け止めて対応したい」と述べた。

 増設規模は限定的とされるが、保管期間が延びる分、処理水中の放射性物質は自然減衰が進む。政府や東電は国内外に処理水の安全性を周知する考えで、より時間をかけて丁寧に取り組める利点もある。

 東電はタンクの満杯時期を「2022年秋ごろ」と記者会見などで繰り返し強調し、政府はこの「期限」を前提に方針決定を急いできた。放出準備は工事や手続きに2年程度を要し、既に時間的猶予はない。

 20年12月完成のタンクを最後に建設作業を終えたが、東電は「1基も増設できないわけではない」とする。増設には1年程度かかり、東電は増設の可否を内々に検討していた。増設した場合の「真の満杯時期」は不明だ。

 東電福島第1廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者は2月の取材に「政府方針が決まらないと計画が確定しない。方針決定後にわれわれの検討結果を示したい」と見解を語った。

 敷地内には活用予定のない「空白地帯」が複数箇所ある。河北新報社の試算ではタンクを設置した場合、日々の汚染水発生量が現状よりやや多めに推移したとしても、満杯時期は1年以上先延ばしになる。

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