河北抄(4/14):<世の中にたえて桜のなかりせば春の心はの…

 <世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし>。今年もまた、在原業平の名歌を複雑な気持ちでかみしめることになった。
 仙台市内でソメイヨシノが見頃だった先週、いつもの通勤路から遠回りして、青葉区の西公園前を歩いた。こぼれ落ちるほどに花をつけた枝々を眺め、気分が高ぶった。当たり前だが、場所取りをしている人などはいない。
 桜のほかにどんな花が、と思い、市野草園の公式ブログを見たら、「5月5日(水)まで臨時休園いたします」。東北大植物園も同様だった。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、ことほどさように深刻に受け止められている。でも、コロナと付き合って1年余、感染を避けるためにすべきこと、してはいけないことも分かってきた。
 「密」とは無縁の郊外に遊ぶのも楽しい。来月になれば、そこここに卯(う)の花(ウツギ)が咲く。牛車を卯の花で飾り、はしゃぐ話が「枕草子」にあった。今なら、飛沫(ひまつ)感染が心配になる描写だが…。夏も遠くはないことを思う。

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