「ゆるキャラ」トリチウムに批判殺到 復興庁、公開停止

復興庁が作成したトリチウムのキャラクター

 東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出決定に合わせ、復興庁がウェブサイトで公開したチラシと動画が波紋を広げている。トリチウムを「ゆるキャラ」のようにデザインし、批判が殺到。復興庁は14日、チラシと動画の公開を休止すると発表した。
 ホームページに「ALPS(多核種除去設備)処理水について知ってほしい3つのこと」と掲げ、2ページ分のチラシ、長さ4分26秒と40秒の動画を公開。トリチウムは雨水や海水、人体にも含まれ、「健康には心配ありません」と紹介した。
 トリチウムをキャラクター化した狙いを、復興庁の担当者は「多くの人に関心を持ってもらえるよう表現した」と説明。風評被害を払拭(ふっしょく)するための取り組みだったという。
 13日の公開後、会員制交流サイト(SNS)には「被災者の気持ちを分かっていない」「復興を先導してきた復興庁が『トリチウム君』だなんて」などと批判的な書き込みが相次いだ。
 見る人の気持ちを揺さぶって広く注目を集めることで、「トリチウムへの正しい知識が広まる」という皮肉を込めた書き込みもあった。
 担当者は「批判を真摯(しんし)に受け止めつつ、分かりやすい情報発信に努める」と話した。

[トリチウム]三重水素とも呼ばれる放射性物質で、化学的には水素と同じ性質を持つ。自然に発生した天然のトリチウムもあり、水蒸気や雨、海、河川、水道水や人の体の中にも存在する。飲料水や食べ物にも含まれる。トリチウムから出る放射線は弱く、皮膚の表面で止まる。人の体に入っても水と一緒に排出され、海中の生物にも蓄積されない。放射能が半分になる半減期は12・3年。政府は、海洋放出前にWHOの飲料水基準の7分の1程度に薄めるとともに、トリチウム以外の放射性物質を規制基準まで除去する計画。海水中のトリチウム濃度は水道水と同じ水準になるとしている。

復興庁/「ALPS処理水について知ってほしい3つのこと」の公開休止について
河北新報のメルマガ登録はこちら
原発事故・放射線」

復興再興

あの日から

復興の歩み

第68回春季東北地区高校野球
宮城大会 組み合わせ表

先頭に戻る