社説(4/21):宮城「重点措置」後半へ/若者の行動が危機回避の鍵

 新型コロナウイルスの感染急拡大に伴い、宮城県に適用された「まん延防止等重点措置」は期間の後半に入った。

 4月5日の適用開始から2週間余りが経過し、新規感染者数はピーク時に比べ、大幅に減少したが、医療供給体制は予断を許さない状況にある。緊張感をもって対策を維持しなければならない。

 新規感染者が3月31日に最多の200人に達したことが重点措置の引き金になった。確保した病床241床の使用率は66・8%に上った。

 その後、病床は346床に増えたが、重症者用は心もとない。重症者は4月に入って倍増。20人を突破し、病床使用率は5割近くと高い。

 県はコロナ患者向けに最大450床の確保を想定するが、一般診療と両立させなければならず、新たな病床確保は難しいという。

 重症者が増え続けると、医療体制は早晩逼迫(ひっぱく)する。感染対策の手綱を緩めてはならない最大の理由がここにある。

 変異株の流行という新たな難題がのしかかっている。

 宮城と同時に重点措置が適用された大阪府と兵庫県は、新規感染者の増加に歯止めがかからない。感染力に乗じて変異株が拡大し、従来型から置き換わったのが主因だ。

 宮城県内で感染力が強いとされる変異株「N501Y」は、3月に1件検出されただけだが、いまでは30件を超えた。宮城と人の往来が多い東京は5月中に全て変異株に転換すると予測されており、宮城でも急増が懸念される。

 重点措置の適用で、仙台市内の飲食店は午後8時までの時短営業が要請された。

 1日当たりの売上高が10万円以下の中小業者には1日につき4万円の協力金が支給される。算定基準は異なるが大企業も対象となり、適用期間中は自主休業する店も多い。

 こうした人の流れを抑制した効果が表れている。だが、リバウンド(感染再拡大)を回避するためには、若者に対する危機感の浸透が鍵となることが、最近のデータから一層鮮明になっている。

 仙台市で新規感染者が急増した週(3月22~28日)は、感染者663人のうち152人が20代だ。翌週も505人のうち、20代が102人と際だって多い。各週とも20代の割合が最も大きく、全体の4割近くを占めた週もある。

 最初の緊急事態宣言が出された昨年4月は繁華街から人が消え、行楽地は閑散とし、やがて感染者が激減した。

 その後、若者の重症化リスクが低いことが分かってきた。この春、学生らは春休みなどを利用し、昼夜活発に行動した。1年前の沈鬱(ちんうつ)な自粛ムードとの大きな違いだ。

 家族をはじめ、周囲に高齢者がいればなおのこと、注意を払うべきだ。大型連休が控える。若者が「他の人に迷惑を掛けないために」と認識して自制しなければ、リバウンドの危機は免れまい。

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