「丸森女子重機隊」立ち上がる 復旧支援に感謝、「次は自分の手で」

萬代さん(右)から指導を受ける堀内さん(左)と寺沢さん=宮城県山元町

 2019年10月の台風19号で被災した宮城県丸森町の女性たちが、災害時に重機を操作して復旧作業を担えるよう「丸森女子重機隊」を結成した。現在、支援団体の指導を受けショベルカーなどを運転し、土砂やがれきを撤去する訓練に励む。台風19号で受けた支援を振り返り「自分の手で地域を復旧できるように」と力を込め、レバーを握る。
 今年2月13日の地震で震度6弱を記録した宮城県山元町の民家の裏山の土砂崩れ現場。丸森女子重機隊の堀内美保さん(44)がアームを操って土砂をトラックに積み、石巻市の被災地支援団体「オープンジャパン」の指導役が見守る。復旧も兼ねた重機操作の実地訓練だ。
 「経験を重ね、丸森で助けてもらった恩返しをしたい」と堀内さん。オープンジャパンの萬代好伸さん(57)は「単なる土砂の撤去ではなく、住民の安心感を高める心のレスキューも意識することが大切」と助言する。
 台風19号では、氾濫した川から大量の泥が自宅に流れ込み、堀内さんは小学生の子どもらと避難生活を余儀なくされた。一帯の泥を重機で取り除くボランティアを心強く感じた一方、「駐車中の重機を見ていたら、自分で運転できない悔しさがこみ上げた」と振り返る。
 被災した翌月、子どもたちを支える母親グループ「Tree Tree Tree丸森」を設立し、復旧活動に当たっていたオープンジャパンなどの団体と交流。萬代さんに重機を動かしたいと打ち明けると、「資格を取ればいい」と促された。
 3トン未満の重機を運転するための教習をTreeのメンバーで受講し、知り合いの母親にも呼び掛けた。20年秋、20~50代の講習修了者ら10人で丸森女子重機隊をつくり練習を始めた。公益団体からの助成金を受講料や備品購入に充てた。
 隊員の寺沢美亜さん(30)は「災害が起きても『ママが何とかする』と言えるようになりたい」と加入の理由を話す。台風の夜は幼い長男らと冠水した町内を歩いて避難し、自宅も浸水した。復旧作業を見て重機を運転できれば家族を安心させられると思い立った。
 「丸森に何かあればすぐに動き、早く住民を笑顔にしたい」。堀内さんは意気込む。隊の活動費が限られる中で、高額な重機をどう用意するかが今後の課題だ。クラウドファンディングで購入する構想もある。
 オープンジャパン副代表の肥田浩さん(55)は「女性が頑張る姿を見て前向きになる被災者がいる。活躍し、地域を明るくしてほしい」と期待する。

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