ひっそり夜の街に響く客引きの声 緊急事態解除後の山形駅前

独自の緊急事態宣言の解除後も閑散とした繁華街=26日午後9時20分ごろ、山形市香澄町1丁目

 新型コロナウイルスの感染が急拡大した山形市に山形県と市が出した独自の緊急事態宣言が25日で解除された。市内の飲食店約1200店に対する時間短縮営業の要請も約1カ月ぶりに解除されたが、繁華街の夜の人通りはまばら。店側は感染予防を徹底し通常営業に近づけるか、収束まで休業を続けるか、難しい選択を迫られている。

 市内有数の繁華街で、飲食店が軒を連ねるJR山形駅前。解除初日の26日は宣言前と同程度の客が訪れた店もあるが、遅くまで楽しむ客はごく少数だった。一部店舗は休業や時短営業を知らせる紙を入り口に掲示し、真っ暗なまま。ひっそりとした夜の街に、客引きをする複数の若い男性の声だけが響いた。

 市内では3月に複数の飲食店でクラスター(感染者集団)が発生。3月21日に1日当たり最多の21人の感染が確認され、翌22日に緊急事態宣言が出された。酒類を提供する飲食店などに対する時短要請も3月27日に始まった。県と市は午後9時~翌午前5時の営業自粛を求め、応じた店に協力金支給を決めた。

 感染状況はその後、抑制傾向となり、4月半ばから12日間連続で新規感染者数は1桁かゼロにとどまった。27日も1人だった。

 宣言の効果が出た一方、4月に入り感染力が強いとされる「N501Y」変異株が県内で7人確認され、うち1人は重症化しやすいとされる英国型と判明した。警戒感から客足が戻らないと見越し、店側の通常再開の動きは鈍い。

 居酒屋「山形酒菜一」は従業員約10人が市独自のPCR検査を受け、客一人一人にマスクと紙製マスクケースを配るなど感染対策を徹底する。それでも通常より1時間早い午後10時ごろに店を閉める。

 オーナーの酒井貞昭さん(56)は「感染収束が見通せない中、お客さまに『来てください』とアピールすることはできない。大型連休も県外客が見込めず期待できない」と打ち明けた。

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