どうなる盛岡のシンボル 岩手公園の商業施設整備 足踏み

商業施設の整備計画の進展が見られない岩手公園芝生広場

 盛岡市による岩手公園(盛岡城跡公園)の商業施設整備計画が進展していない。新型コロナウイルスの感染拡大で事業者が市に対し、計画の再検討を申し出たためだという。公園を巡っては石垣の修復工事も入札不調で未着手となっており、盛岡のシンボルの行く末に市民が気をもんでいる。

20年冬オープンの予定が…

 商業施設の整備計画が持ち上がったのは2019年。民間資金活用による社会資本整備(PFI)の手法で、カフェや物販店が入る施設を芝生広場に整備する予定だった。提案した衣料品製造販売「ミナ」(東京)は、20年冬ごろのオープンを目指していた。

 ところが昨年9月、同社は「新型コロナの影響で公園などのオープンスペースの需要が高まっている」との理由から市に事業内容の見直しを申し出た。同社の担当者は取材に対し、再検討について「詳細は答えられない」と返答した。

 市も今年1月号の広報で事業内容を紹介したが、今後のスケジュールは「随時お知らせする」との説明にとどめた。

 岩手公園は盛岡の歴史や文化を象徴する公共空間でもあり、市民らの関心は高い。

 市内在住の50代女性は「多少のにぎわいができてもいい。景観を守りながら造ってほしい」と要望。滝沢市から週2回訪れるという70代男性は「商業施設が必要なのか疑問。皇居のように緑がある広場はそのままにしてほしい」と訴える。

 市は本丸二階櫓(やぐら)などの復元に向けた事業も計画。本年度は、明治時代に撮影された写真や平面図の調査を進めるという。

 近くに住む60代男性は「何かを造る前に、まずは石垣をなんとかしてほしい」と指摘する。石垣は盛岡城跡の象徴的存在だが、公園北西部の「三の丸石垣」は緑の柵で覆われ、約3年間、修復工事に着手できていない。入札の不調は、工事を担える技術者が全国的に不足していることが要因という。

 市はなんとか工事に取り掛かりたいと、本年度は予算額を前年度の約2倍となる1億円に拡大した。5月下旬にも入札を始める。

 市公園みどり課の担当者は「いずれの計画についても、事業者とよく協議するなどして、できるだけ早く進めたい」と話した。

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