山形・上山「高松和紙」再興へ カレンダーや名刺、お札など受注生産

金原さんが高松和紙の伝統を継いで商品化したカレンダー(左端)、地酒のラベル(中央上)など

 後継者不足で10年前に途絶えた山形県上山市の「高松和紙」を再興する動きが出ている。地元出身の男性が最後の生産者から原料のコウゾの株分けを受け、生産した和紙を使って文具などを商品化した。男性は「地元の和紙文化を後世につなぎたい」と意欲を燃やす。

 上山市内に事務所を置く自営業金原武志さんが3年前から取り組む。コウゾの栽培から手掛け、宮城県川崎町の職人に紙をすいてもらい、カレンダーや名刺、お札などを受注生産する。地酒のラベルなどコラボ商品も手掛ける。柔らかな手触りと温かみのある風合いが特長だ。

 「和紙を身近に触れてもらえる製品を作ることで、良さを多くの方に知ってもらいたい」と思いを語る。カレンダーは市内の銀行支店に展示し、地酒は市内の酒店で販売している。

 高松和紙は約400年前の江戸初期に生産が始まったとされ、かつては100戸を超える紙すき農家があったが、10年前に最後の職人が引退した。25年ほど前からケナフを使った紙作りに取り組み「和紙に興味があった」という金原さんが職人の親族に申し出て、再興と魅力発信に乗り出した。

 生産は副業として週末のみ、少量ずつ行う。「長年受け継がれたコウゾを使った全て地元産の手作り和紙で、残すだけの価値があるもの。高松和紙の職人としての技術は持っていないが、違う形でも伝えていければ」と金原さん。並行して山形市で100年ほど前に途絶えた和紙の再興にも取り組んでいる。

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