秋田県の官製談合、最低価格と同額落札13件

秋田デイックライトの本社=秋田市飯島

 秋田県発注工事を巡る官製談合事件で、公競売入札妨害の疑いで元相談役の水野定秋容疑者(71)が逮捕された秋田市の建設会社「秋田デイックライト」が2016~20年度の過去5年間に落札した県発注工事55件のうち、23・6%に当たる13件が最低制限価格と同額での落札だったことが12日、県の入札記録で分かった。

 このうち1件が、官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された県建設政策課政策監の藤谷(ふじや)学容疑者(58)から水野容疑者が最低制限価格に関する情報を入手し、落札したとされる。県警は情報漏えいの経緯などを調べている。

 同額落札は16年度1件、17年度2件、18年度4件、19年度1件、20年度5件。このうち7件が予定価格1000万円以上の工事。事件当時、北秋田地域振興局(北秋田市)の建設部長だった藤谷容疑者から入手した情報で落札したとされる同振興局発注の1件は予定価格が8000万円超で、最も高額の工事だった。

 県によると、最低制限価格は直接工事費、共通仮設費、現場管理費、一般管理費等の4項目の経費に、県公表の一定係数を掛けて算出している。

 業者は県が事前に示す予定価格や設計書、単価表などから積算ソフトを使って最低制限価格を予測して入札額を決めている。秋田デイックライトと同じ入札に参加したことがある別の業者は「複数社が最低価格と同額となり、くじで決まることも珍しくはない」と指摘する。

 秋田市の建設会社は「県の最低制限価格の算出基準があり、基準を知らないか計算を間違えない限り大きな誤差にはならない」と説明。「今後、同額だからと談合を疑われては困る」と話す。

 事件となった1件には秋田デイックライトを含む6社が入札に参加。うち3社が最低制限価格を下回る額で入札し、失格となった。

 県警は「同額はあり得ることだが、参加業者の半分が失格になっており、最低制限価格の算出が簡単な入札ではなかったのではないか。算出が難しい中でも同額で入札したことも捜査着手のきっかけの一つだった」(捜査幹部)と説明する。

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