気になる症状 すっきり診断(96)リンパ節が腫れる/部位 複数はがんの疑い

イラスト・叶 悦子

◎血液内科 横山寿行 准教授

 首や脇の下、脚の付け根にしこりや腫れが出ることがあります。それはリンパ節の腫れかもしれません。リンパ節はさまざまな病気で腫れることがあります。感染など一時的な症状で軽快することが多いものの、重篤な病気が隠れていることもありますので、きちんとした診断が重要です。

■異物除き体守る

 人間の体は、細菌やウイルスの侵入、がん細胞の発生などにいつもさらされています。これら異物が体内に侵入、発生するとその一部がリンパ管に取り込まれ、リンパ節に送られます。リンパ節の内部にはリンパ球など異物から身を守るための細胞「免疫細胞」が多数存在しています。異物はここで除去され、全身に感染やがん細胞が広がるのを防ぐ仕組みになっています。

 リンパ節はさまざまな部位に存在しますが、体の表面から触れる主な部位は首の周囲、脇の下、脚の付け根です。通常は数ミリ大でソラマメのような形をしており、体の表面から触っても分かりません。

 リンパ節が腫れる原因はさまざまです。感染症の他、薬剤性、血液のがんである悪性リンパ腫やがんの転移、自己免疫疾患などがあります。これらの区別にはきちんとした検査が必要ですが、その性状から推測が可能です。

 まず腫れる部位です。首のリンパ節は喉や口の中の感染で腫れることが多く、脚の付け根のリンパ節は健常な場合でも腫れることがあります。一方、複数の部位でリンパ節が腫れた場合は悪性リンパ腫、ウイルス感染、自己免疫疾患などが疑われます。リンパ節の大きさも重要です。約2センチを超えるようなリンパ節腫脹(しゅちょう)の場合、がんの可能性が高いとの報告があります。また痛みを伴う時は感染など炎症性、痛みがない時はがんを考えます。さらに感染などに比べ、がんではリンパ節が硬く、触れるのも特徴です。

■血液や画像検査

 診断の確定には、血液検査や陽電子放射断層撮影装置(PET)、コンピューター断層撮影(CT)などの画像検査、場合によっては生検が必要です。生検とは、腫れたリンパ節の一部を針または外科的に切除して、顕微鏡で観察する検査です。特に悪性リンパ腫の診断には必須です。

 さまざまな検査を行ってもリンパ節腫脹の原因が特定できない場合もあります。その時は定期的に通院などを続けながら慎重に経過観察します。数週から数カ月かけて増大してくるようなときはがんの可能性を疑います。

 リンパ節腫脹以外の症状がなければ慌てる必要はありませんが、数週間リンパ節の腫れが持続して改善しない場合、発熱を伴い急速に増大傾向にある場合は早めの病院受診をお勧めします。

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