気になる症状 すっきり診断(95)新型コロナウイルス感染症/各自対策徹底し収束へ

イラスト・叶 悦子

◎東北大病院総合感染症科長 青柳哲史 病院特命教授

 2019年12月下旬に中国武漢市で報告された新型コロナウイルス感染症は、全世界的な問題であり、収束のめどはたっておりません。
 新型コロナウイルス感染症で、80%程度の方は無症状、せきや発熱など風邪症状にとどまり自然に治りますが、高齢者や持病(慢性心臓病、慢性肺疾患、糖尿病、がんなど)のある方は、肺炎を合併し重症化しやすいことが知られています。

■特効薬存在せず

 診断は、鼻や喉を綿棒で拭った液体や唾液からウイルス遺伝子を検出するPCR検査が一般的ですが、抗原検査も利用されます。治療に関して特効薬は存在しませんので、病状に応じて抗ウイルス薬、免疫調整薬(ステロイドなど)、抗凝固薬などを組み合わせながら治療が行われています。
 高齢者は持病がある方が多く、新型コロナウイルス感染症により心臓病が悪化して心不全になるなど、持病が悪化することがあります。新型コロナウイルス感染症の治療が終了しても、持病に対する治療の継続やリハビリが必要で入院期間が延長することもあり、注意が必要です。
 ワクチンに関して有効性や安全性の評価、国民全員が接種可能となるのは少し先になると考えます。

■飛沫、接触防ぐ

 そこで、自分自身が新型コロナウイルス感染症に「かからない」「広げない」という考え方が非常に重要になってきます。新型コロナウイルスは「飛沫(ひまつ)感染」「接触感染」によって感染します。
 インフルエンザに代表されるように、飛沫感染はせきやくしゃみなどに含まれる飛沫を吸い込むことで感染しますが、新型コロナウイルスは通常の会話中に含まれる小さな「マイクロ飛沫」を吸い込むことでも感染しますので、常時マスクを着用し、換気を小まめに行う必要があります。
 接触感染はウイルスが付着している環境表面(ドアノブ、スイッチなど人がよく触れる場所)を手で触り、それを触った手で口、鼻、目を触ることでウイルスが体内に入ります。アルコールやせっけんによる手洗い、人の手がよく触る場所の清掃が重要になります。
 感染リスクが高まる五つの場面が知られています。飲食や懇親会などに注目が集まりますが、仕事をされている方は、仕事中は感染対策に気を付けていると思いますが、昼休みや休憩時間など場面が入れ替わるときに感染対策が不十分になりがちですのでご注意ください。一人一人の感染対策の徹底が新型コロナウイルス感染症の収束に大きく関わってきますので、ご協力をよろしくお願いします。

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