手話をアレンジしコロナ新語 「在宅ワーク」は家+パソコン

コロナ下の手話、新表現が続々誕生

 新型コロナウイルスに関わる新たな手話表現が生まれている。従来の表現を知恵と工夫でアレンジし、感染拡大を受けて多用されるようになった「3密」「在宅ワーク」「オンライン飲み会」といった用語に対応している。手話の使い手に「新語」を教えてもらった。
(報道部・武田俊郎)

 コロナ関連の主な手話表現はイラストの通り。

 新型コロナウイルスは「新しい」「コロナ」「ウイルス」の三つを組み合わせるのが基本。頻繁に会話に登場するため「最近は『コロナ』だけを示すことが多い」と、宮城県聴覚障害者情報センター職員で聴覚障害者の中村敏子さん(52)が説明する。

 中村さんによると「在宅ワーク」は「家」と「パソコン」、「クラスター(感染者集団)」は「集まる」と「広がる」を、それぞれ組み合わせて表現するという。

 東北大手話サークル「しゅわしゅわ」では、会員で聴覚障害者の大学院生石川美希さん(29)と健聴者でサークル代表の4年山田若菜さん(22)が、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使ったオンライン飲み会の相談をしていた。二人は「Zoom」という語を、画面に多数の顔が並んでいる様子を手で表して伝えていた。

 宮城教育大の手話サークル「HANDS」会員で聴覚障害者の3年鈴木コナさん(20)と健聴者で会長の2年千葉百華さん(19)は、制約の多い飲食に関わる表現を教えてくれた。宅配サービス「ウーバーイーツ」は指文字「う」で自転車をこぐ表現の後、「食べる」を加えるという。

 入店時に必須の「検温」は、仙台大職員で手話研究部「CLOVER」を指導する聴覚障害者の佐々木琢磨さん(27)から学んだ。非接触型の体温計を額に当てるしぐさをしながら「けんおん」と口で表現。指を脇で挟む従来の表現に代わり、主流になりつつある。

 「アベノマスク」を教えてくれた人もいた。指文字の「あ」「べ」に続いて従来の「マスク」を示した上で、否定的な意見が多い意味を込め、最後に顔をしかめていた。

 手話は地域やサークル、世代によって表現が異なるケースがある。

手話でやりとりする宮教大の鈴木さん(左)と千葉さん
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