温かい気仙沼弁、誇りに 「おかえりモネ」方言指導のフリーアナ <気仙沼・南三陸ウイーク>

「おかえりモネ」の紹介番組のナレーション収録に臨む佐藤さん=4月30日、東京都渋谷区のNHK放送センター

 宮城県気仙沼市などが舞台のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の宮城の方言指導に、同市出身のフリーアナウンサー佐藤千晶さん(35)=東京都目黒区=が携わった。「温かい方言を通じて、全国に気仙沼ファンが増えたら」と声を弾ませる。
 方言指導スタッフは2人いて、サブという位置付けでドラマ序盤を担当した。台本のせりふを方言に書き換え、俳優の手本となる発音を録音。撮影現場での指導も一部サポートした。
 例えば、宮城の方言では「海」や「登米(とめ)」といった単語は2音目が強くなる。人名の「サヤカ」などは、真ん中にアクセントがくる。「イントネーションだけで方言になる。私自身も奥深さを再認識した」と振り返る。
 当初、控えめにしたつもりの方言も「きつすぎて意味が通じない」とスタッフに突っ込まれた。「私、そんなになまってる?と戸惑ったけど、気仙沼弁が染み付いている誇らしさもあった」と笑う。
 視聴者が抵抗なくドラマを楽しめるよう、方言の「濃度」を制作陣が調節したという。一つのせりふの中でなまって濁らせる言葉の数や、「だっちゃ」など語尾変化の有無を加減し、方言の雰囲気を残しつつ内容も伝わりやすくした。
 愛着が強い分、気仙沼弁を完全に再現できないジレンマもあった。しかし放送開始後、宮城以外の人から「言葉の優しさが感じられ、物語の内容もすっと入った」と反響があり「全国の人に受け入れられ、ほっとしている」と喜ぶ。
 撮影では俳優陣から、気仙沼の風習や食文化についても質問を受け、役柄を深く理解しようとする姿勢が印象に残ったという。
 幼少期は自宅で毎朝、祖父母と朝ドラを見ていた。「大好きな朝ドラに、自分がなりわいとする言葉で関われて幸せ」と佐藤さん。「今年は東日本大震災から10年。愛する古里に、少しでも恩返しになればうれしい」と語った。

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