中心部の人の流れ、デジタル技術で把握 仙台市が実証実験

 仙台市はJR仙台駅西口や青葉区一番町などの市中心部で、デジタル技術を活用して人流データを集める実証実験に乗り出した。NTTドコモ東北支社、IT大手サイバーエージェントなど6社と連携。数種類のカメラや通信機器などを設置し、データの取得・分析方法の特性や課題を比較検証する。人流データは商店街の活性化やまちづくり、観光振興への活用を検討する。
 実証実験は6月9日まで。藤崎前のアーケードには2種類のカメラを計3台、仙台三越や仙台フォーラスなどの出入り口、地下鉄駅の改札などには2種類のビーコンを計16台それぞれ設置し、データを収集する。携帯電話と基地局のやりとりから、滞在人数を把握できるシステムも利用する。
 カメラが撮影した映像は人工知能(AI)が分析。その場にいた人の数や年代、性別、視線などを推定する。ビーコンはスマートフォンが発するWi-Fiや近距離無線通信「ブルートゥース」の電波を検知。スマホの端末を特定し、インターネット上の情報とつなぎ合わせ、年代や性別、居住地のほか、駅や店に向かった経路などを分析する。
 市によると、デジタル技術で人流データを収集する手法を整えることで、大型店を訪れた客が周辺の商店街を回遊する「シャワー効果」を検証できたり、公共交通の利用状況を詳しく分析できたりして、まちづくりに反映できるという。
 将来的には、市内外の複数の観光地で人流データを集めることで、観光ルートの開発などにも生かせる可能性がある。
 実証実験は、デジタル技術で既存ビジネスなどを変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環。「訪れる人の年代、天候による人出の変化が通年で分かれば商品構成などに生かせる」という中心部商店街の声を踏まえた。結果は8月中旬公表する。
 成瀬一哲・市民サービスデジタル化推進担当課長は「人流データはDXを進める上で基礎的なデータ。実証実験には、中心部商店街から多くの関心が寄せられている。取得したデータを活用し、地域と一緒に課題解決に取り組んでいく第一歩にしたい」と意気込む。

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