事業停止の出版社「サンガ」再出発へ 「ビバオール」しまかげ経営者が創業

新会社設立の計画を語る佐藤さん

 仏教に関する書籍を数多く刊行し、破産手続き中の出版社「サンガ」(仙台市)の事業を引き継ぐ新会社を設立しようと、元社員らがインターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。「心の支えとなる仏教の知恵が広がるよう、今後も役割を果たしたい」と支援を呼び掛ける。

 サンガは、初期仏教であるテーラワーダ仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老=スリランカ出身=が著した40万部のベストセラー「怒らないこと」シリーズをはじめ、仏教の入門書や経典解説、自己啓発書、ビジネス書など数百点を出版してきた。仏教由来の瞑想(めいそう)法、マインドフルネスも国内でいち早く紹介。季刊の仏教総合雑誌「サンガジャパン」は41冊を数える。

 「ビバオール」で知られるアイスクリーム製造「しまかげ」を仙台市で経営していた島影透社長が、1998年に創業した。2020年7月、島影社長が急死。妻が経営を引き継いだが、以前から売り上げ低迷が続いており、21年1月に事業を停止した。社員4人は解雇された。

 解散を惜しむ読者や著者の声が全国から届き、元のサンガ編集部編集長の佐藤由樹さん(46)と副編集長の川島栄作さん(56)が中心となり「サンガ新社」の設立を目指すことになった。

 佐藤さんは「初期仏教では自分の心の動きを変え、幸福に生きるための具体的な方法論が確立している。不安な時代だからこそ、一層求められるはず」と復活を期す動機を語る。

 新社では、刊行途中だったスマナサーラ長老の「ダンマパダ法話全集」全10巻を完成させるほか、サンガの電子書籍の復刊や、研究者と僧侶を迎えたオンラインセミナー、ウェブメディアの制作を計画する。

 目標を300万円に設定したCFは、初日の5月26日に早々と達成。さらに事業内容を充実させて長く活動できる基盤をつくる。寄付の期限は7月11日。

 佐藤さんは「期待の大きさに改めて身が引き締まる。支援者に喜んでもらえるコンテンツとコミュニティーを提供していく」と決意を新たにする。CFのURLはhttps://camp-fire.jp/projects/view/427039

仏教の智慧をみなさんに届けたい! 出版社「サンガ」を元社員が復活させます!

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