宝石のような田中将、データが示すエースの貫禄

 「マー君、ちょっと期待外れじゃない」
 そんな東北楽天ファンの声を聞いた。8年ぶりに復帰した田中将大投手に対してだ。だが、ちょっと待ってほしい。確かにけがで開幕に出遅れたり、打線の援護に恵まれなかったりして2勝(3敗)と勝ち星は伸びていないが、各指標はリーグトップ級の実力を示している。これから詳しく説明しよう。
(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)

楽天-横浜DeNA 東北楽天先発の田中将=楽天生命パーク宮城(高橋諒撮影)

少ない球数、防御率もトップ級

 まずは基本のキとなる防御率。ここまで7試合で2・54。規定投球回未満(46回)なので参考値ではあるが、リーグ1、2位のオリックス山本由伸投手(2・39)、宮城大弥投手(2・43)に次ぐ。
 注目すべきは球数の少なさ。最多は5月1日、ロッテ戦(楽天生命パーク宮城)の106球。前回5月29日のDeNA戦(同)では8回を95球で投げた。
 1イニングに要するのは13・8球。いかに球数をかけずにイニングを稼いでいるかが分かる。これを下回る先発投手はおらず、中継ぎを含めても東北楽天の牧田和久投手ら3人しかいない。
(ちなみに日本一に輝いた2013年も14・1という驚異的な数字が残る)

ストライク率は両リーグトップ

 背景にあるのは一番の武器といえるコントロールの良さ。四球は五つだけ。制球力の高さを示す指標の「K/BB」はリーグトップの7・40。奪った三振数を与えた四球数で割った値で、リーグ平均は2・07。「3・50以上」で優秀とされるので、まさに異次元。制球は元々良かったが、米球界でさらに磨かれた。
 プロ野球記録の収集・分析をしているジャパンベースボールデータによると、ストライク率は69・2%で、500球以上投げた中では両リーグトップ。空振り率は11・6%、四隅に投げたコーナー率は11・3%。これらを足し合わせた総合値92・1も、堂々の1位だ。
 1イニング当たり何人の走者を出したかを示す「WHIP(ウィップ)」は0・91。1・20を切ると主戦級とされる。5先発以上では、ソフトバンクのマルティネス投手(0・88)に続く2位で、安心して見ていられる。

質の高い投球、長い目で見守って

 冒頭のファンは無傷の開幕24連勝のイメージが強すぎるのだろう。質の高い投球を展開しているのは数字が示している。順調なら、先発機会はあと15回前後はあるはずなので、どうなるか長い目で見守りましょうか。
(記録は6月2日現在)

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