原発事故、乳歯の被ばく確認されず 福島県外と差なし

廃炉作業が続く福島第1原発の構内=2020年2月22日、双葉町

 東京電力福島第1原発事故による乳歯の被ばくを調査した東北大や福島県歯科医師会などの研究グループは、現時点で放射性物質による汚染は確認されず、福島県内外の地域差も認められなかったと発表した。調査対象の歯の多くは事故前に作られたため、グループは今後、事故後に作られた歯と比較して事故の影響を本格的に検証する。

 乳歯は5カ月の胎児期から生後8、9カ月の間に作られる。研究グループは2014年以降、福島県や北海道、静岡県などの約5000人から自然に抜けた乳歯7000本以上を集めて分析した。

 その結果、放射性カリウムなど自然界に存在する核種のほか、人工的な核分裂で生まれるストロンチウムやセシウムが、原発事故以前に抜け落ちた歯や福島事故の影響がほぼ認められない地域の歯からも検出された。

 歯の放射線量に地域差はなく、研究グループは過去に海外であった核実験や原発事故に由来すると判断した。

 1986年に旧ソ連ウクライナで起きたチェルノブイリ原発事故では、事故後に作られた歯が汚染物質を取り込んだ例が報告された。調査した篠田寿東北大名誉教授(硬組織生理薬理学)は「福島の原発事故後に作られた乳歯が生え替わる時期を迎えている。歯の収集を続け、影響を明らかにしたい」と話す。

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